知り合いにもらったアカマツの木片。
松やにがたまっている、ひときわ香りのよい箇所だと聞きました。
そのままよりも火をつけた方が香りが立つ。木片に火をつけると、火がともっていましたが直に消えてしまいました。こういうときは、炭の出番。
ネイティブアメリカンが浄化のために使うホワイトセージ、南米の聖なる木パロサントなど、植物そのものをお香にするナチュラルインセンスも同じです。うまく火がつかないとき、炭はあたたかくサポートしてくれます。
ナチュラルインセンス
コンビニなどでも見かけるインセンス(お香)。
お線香に似たスティック型、コーン型。香木やハーブなどの素材の粉につなぎとなるたぶ粉を混ぜ、精油なども加えて乾燥させています。
香木やハーブそのものをたくのが、ナチュラルインセンス。市販のインセンスと比べて、自然でやわらかな香りが特徴です。今回、アカマツとラベンダーの葉で試してみました。
アカマツ:エキゾチックなお香
ヨーロッパアカマツ(Pinus sylvestris)の精油は良く知られていて、アロマテラピーにも使われています。もらったアカマツ(Pinus densiflora)はヨーロッパアカマツとは違いますが、アカマツの松やには「松香」の名で生薬として用いられてきた歴史が。
アカマツは、そのままだとすがすがしい木の芳香に個性的な香りを強く感じます。それが、炭でいぶすとまるで違った香りに変身。
うすいけむりとともに漂ってくるのは、チャイハネなどの雑貨店で出会うインドなどのインセンスのエキゾチックな香り。市販の南アジアのものより軽くて心地よい香りでした。
ラベンダー:新たな魅力発見
ホワイトセージが手元になかったので、前に乾燥させておいた同じシソ科のラベンダーの葉で試してみました。
ラベンダーの葉特有のきりっとしたあまさにスモーキーな風味が加わって、今まで知らなかったラベンダーの魅力に包まれました。
炭でナチュラルインセンスを楽しむ方法
火の着いた炭に、生木の破片やドライハーブなどのナチュラルインセンスをのせる、と方法はシンプルですが、炭がじわっと上手に焚いてくれます。
炭はとても高温になるので、炭を置く容器は金属製のものがおすすめ。容器に火のついた炭を置いたら、炭の上にピンセットもしく火ばさみなどでナチュラルインセンスをのせます。
ナチュラルインセンス用の炭は消炭。すぐ着火して燃焼時間も短い消炭が最適です(消炭についてはこちらをどうぞ)。親指の頭大の消炭に、1㎝四方のアカマツで5分以上香りが続きました。
消炭がない場合、市販のチャコールタブレットが便利です。燃えやすい素材や炭、炭を置いた容器も熱くなるので取り扱いには十分注意して楽しみましょう。
コーン型のインセンス、燃えにくい下の部分がどうしても残ってしまう場合があります。そのような時にも、炭の上に残ったお香をのせれば最後まで使えます。
おわりに
市販のインセンスほど強くなく、心地よい香りのナチュラルインセンス。
湿気のおおい日本では焚きにくいですが、炭の力を借りれば難なく楽しめます。
一休さんは「香十徳」として、感覚を研ぎ澄ます、心身を正常にする、多忙時に心を和ますなど香りに秘められた美点をまとめています。ほんの少しのハーブや香木で、日常を変えてみませんか!