炭の魔法

時計のない時間、心躍るおいしさ、自然の癒しをまねく炭。

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梅干をパワーアップ!梅干の黒焼

きれいな花を咲かせていた梅。

気がつくと、すっかり梅の実の収穫の季節です。

梅といえば梅干。

梅干は昔から黒焼にして重宝されてきました(黒焼についてはこちらをどうぞ)。

さまざまな薬効があるといわれる梅干の黒焼の効果、その作り方は?

梅干の黒焼は何に効く?

紀州の梅農家、永井恒雄さん。若いころから、胃痙攣、喘息、アトピーに悩まされていました。

60代のある日、運転中に喘息の発作で意識がもうろうとして、あやうく交通事故に。薬に頼らず体質改善することを一念発起します。そのときに思い出したのが、明治生まれの祖母の梅干の黒焼。薬のない時代、調子が悪くなると梅干を黒焼きにして102歳までお元気だったそうです。

永井さんは梅干の黒焼を食べ始め、今では胃腸、呼吸器も問題なく元気に。

自然療法のレジェンド、東城百合子さんは著書「家庭でできる自然療法」のなかで、黒焼にした梅干は細胞を活性化、脳の老化や痴呆を防止する効果が期待できると書いています。梅干の黒焼は風邪、下痢、冷え性疲労にも効果が。

梅干の黒焼のつくり方

必要なのは梅干、土鍋、炭(長時間の弱火が得意な白炭が適任)、七輪、小麦粉、水。

土鍋に梅干を一段に並べます。小麦粉を水でねり、フタと土鍋の間の隙間をふさいで目張りをします。弱火にかけてしばらくすると、蒸気孔から水蒸気があがってきます。水蒸気が切れたら、蒸気孔を小麦粉をねったものでふさぎ蒸し焼きに。

所要時間は、東城さんの本では4~5時間。梅干や玄米の黒焼でよく知られる、食養研究家の若杉友子さんの作り方では24時間。4~5時間だと種はかたいままで取り除く必要がありますが、24時間だと種まで炭化されるようです。

熱いうちにフタをとると灰になってしまうので、火からおろして十分に冷めてから開けます。すり鉢やミルサーなどで粉末に。

炭の効果

若杉さんは梅干の黒焼のつくり方をのせている本のなかで、医学者の体験談を紹介されていました。

チェルノブイリ原発事故のあとに、周辺の子どもがヨード剤を嫌がって吐いてしまう。「毒消しに炭」はロシアでも昔から知られており、地元の老人が消炭をすりつぶして飲ませました。医学者が、子どもたちの真っ黒な便を分析したところ、放射能の値が高く、放射性核種も検出されたそうです。

梅干や玄米の黒焼も、梅干や玄米を炭化させたもの。若杉さんは、消炭の効果で黒焼の威力を再確認したといいます。

おわりに

百薬の長といわれる梅。

さらに炭化、黒焼にすることでパワーアップ。

梅の黒焼は市販されています。けれど、自分で作ると時間はかかるけれど面白い。自作できれば万が一のときにも大丈夫、安心感につながります。

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<参考資料>東城 百合子, 2002, 家庭でできる自然療法 誰でもできる食事と手当法(改訂版), あなたと健康社;若杉友子, 2012, これを食べれば医者はいらない―日本人のための食養生活, 祥伝社