炭の魔法

時計のない時間、心躍るおいしさ、自然の癒しをまねく炭。

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電磁波を防ぐ強力なシールド:木炭!

電磁波による健康被害

1980年代後半から症例が報告され始めました。

スマホや携帯電話などの普及率が9割を超え、Wi-fiBluetoothといった無線通信機器が一般的になった現在、無線周波数電磁波があふれています。

木炭は、エネルギー利用にとどまらず、多孔性、研磨性、吸光性、電気特性などの特性を持ち様々な分野で活躍しています。

電磁波に対しても盾(シールド)となって遮へい効果を発揮する木炭。その効果とは?

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炭のシールド効果

波長の短い無線周波数電磁波は、金属で反射させることで防ぐことが可能です。

高温で焼かれた木炭は導電性が高い。

電磁波遮へい材料測定標準材料として、JIS(日本工業規格)やASTM(米国試験材料協会)が定めているのが鉄板やアルミニ ウム板。800度以上で焼かれた炭は、同等の遮へい効果を持ちます。1000度以上で焼くと、鉄板やアルミウム板を上回る高い遮 へい性能をマーク。

そして、木炭の材料としての優位性といえばその軽さ。

金属に比べはるかに低比重の木炭を素材とすることで、軽量の電磁波遮へい材料の調製が可能に。

超微粉木炭と熱硬化性樹脂を組み合わせた自硬化性粉粒体を、木質材料の表面に散布、熱圧して調製した木質複合材料。厳しさで知られる米軍規格をパスするほど、高い電磁波遮へい性能を誇ります。

電磁波による健康被害

ところで、電磁波は本当に健康被害をもたらす?

電磁過敏症を患う人の割合は、フィンランド1.6%、スウェーデン2.7% 、オーストリア3.5%、台湾4.6% 、スイス5.0%、ドイツ10.3%との疫学データが。日本の推計値は3.0~5.7%です。健康被害を引き起こす電磁波の発信源には、携帯電話基地局、コードレス通信機器、PC、電力線などがあげられています。症状は、睡眠障害、無力症、頭痛、記憶力と集中力の低下、めまい、筋骨格痛、皮膚病、気分障害と多岐にわたるのが特徴。

国際がん研究機関(IARC)は世界保健機関(WHO)の一機関。携帯電話を含む無線周波電磁界、超低周波磁界を「ヒトに対して発がん性がある可能性があるグループ」に含めています。

電磁過敏症は気のせい?

電磁波の国際的な規制で中心的な役割を果たす国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、電磁過敏症を、患者さんの思い込みからくるノセボ効果によるもの。精神的な疾患との認識を示してます。

しかし、ICNIRPが参照しているノセボ効果の研究論文には、方法論に問題点が多く、確固たる証拠が欠如しているなどの批判も。電磁過敏症がノセボ効果によるものとの科学的な根拠にはならないとの指摘もあります。

どっちがいい?

スウェーデン、カナダ、スイスでは、電磁過敏症は障害であると位置づけられ、自治体が電磁波フリー住宅を用意するケースもあるほど、発症者の人たちの生きる権利が守られています。医師会が電磁過敏症の診断と治療に関するガイドラインを作成している国もあり、改善がみられる患者さんも多いそうです。

一方、日本では電磁過敏症は思い込みと扱われているため、電磁過敏症の人たちは、生きるために多額の出費を余儀なくされています。お医者さんの理解が進んでおらず、医院によっては治療どころか苦痛が深まる一方。

おわりに

電磁過敏症は、診断法が確立されていないことが大きな課題でした。

UCLA医学センターのダンナー・ヘウザー博士。電磁過敏症の診断は精神科ですべきとの考え方は、てんかんは悪魔ににとりつかれた状態とみなされた時代を彷彿させると述べています。

昨年、ヘウザー博士を含め16ヶ国35人の科学者たちが、電磁過敏症は心身症やノセボ効果によるものではなく、神経病理学的障害であり、分子バイオマーカーで診断可能との論文を発表(Belpomme et al., 2021)。

進展が期待されます。

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<参考資料>Belpommet et al., 2021, International Journal of Molecular Sciences The Critical Importance of Molecular Biomarkers and Imaging in the Study of Electrohypersensitivity. A Scientific Consensus International Report. https://www.mdpi.com/1422-0067/22/14/7321/htm;Maël Dieudonné, 2020, Electromagnetic hypersensitivity: a critical review of explanatory hypotheses, Environmental Health, 19:48;IARC, 2019, IARC Monographs on the Identification of Carcinogenic Hazards to Humans, https://monographs.iarc.who.int/wp-content/uploads/2019/07/Preamble-2019.pdf; Nordhagen, E.K. and Flydal, E., 2022. Self-referencing authorships behind the ICNIRP 2020 radiation protection guidelines, Reviews on Environmental Health, https://www.degruyter.com/document/doi/10.1515/reveh-2022-0037/html?lang=en;石原茂久, 1999, 機能性炭素材としての木炭, 材料, 48:473-482;加藤やすこ(著)出村守(監修), 2020「新電磁波・化学物質過敏症対策」緑風出版;岸本定吉監修, 1997「炭・木酢液の利用辞典」創森社,;ICNIRP, ICNIRP の高周波(RF)電磁界ガイドライン 2020 年版に関連したよくある質問と回答(FAQ)https://www.icnirp.org/cms/upload/publications/FAQ_ICNIRP_RF_GL2020_Japanese.pdf