炭の魔法

時計のない時間、心躍るおいしさ、自然の癒しをまねく炭。

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明日の炭の可能性:Tomorrow never dies!

20世紀半ばの日本は製炭大国。

木炭生産量は年間100万トン超え、日本以上に木炭を生産していたのはソ連ぐらいでした。国内木材消費量の15%が製炭に。木炭の7割が家庭燃料に使われていました。

21世紀にはいると国内生産量は約2万トン。全体の炭使用量の約9割は外国産でまかなわれています。

燃料としての利用は減りましたが、木炭の多孔性、吸着性、アルカリ性など炭の特性を生かして、水質改善、調湿、建材、土壌改良、飼料添加、臭気防止などさまざまな用途で使われるように。

そして、もうすぐ2023年。21世紀も四半世紀が終わりに近づいている今だからこそ、期待される炭の役割とは?

不可能, 可能, モチベーション, 前向きな思考, 業績, 自信を持って, 危険

VUCA時代を炭で突破

不安定、不確実、複雑、曖昧の英語の頭文字をとってVUCA。

先行きの見えにくい今のVUCAの世の中で、本質を見極めることが従来以上に大切。にもかかわらず、常識が思考を知らないうちにブロックしてしまう!常識を相対化してとらえ、普遍的なものを見出すのにリベラルアーツや美術鑑賞が有効だといわれています。

けれど、リベラルアーツや美術鑑賞も人間が作りあげたもの。

従来の物差しに影響を受けず、マインドブロックを外してくれるのは自然です。

木炭は身近な自然。火をつけたり、使ったり、手間のかかることが多い炭。

まったく、非効率な炭ですが、ヴァーチャルやデジタルな世界では体験できない野生の感覚を呼び起こします。

感性をゆるやかに刺激するなかで、新たな選択眼が養われるかもしれません。

 バイオエネルギーの新騎手

新用途という名のもとに、たくさんの活用方法が開発された木炭。

地温上昇材、電磁波の遮蔽、防音ボード、解毒剤、まるで共通項がみえないモノに使えます。

既に存在している技術を他方面に転用する。任天堂のゲーム開発者、横井軍平さんの創造哲学「枯れた技術の水平思考」そのもの。

一方で、燃料としては、料理店やBBQなど特別な場面での利用に限定されたまま、半世紀以上が過ぎました。

適正な管理を行えば、無尽蔵の天然資源。

安定的に自国で賄える再生可能エネルギー

「枯れた技術の垂直思考」もしくは「枯れた技術の垂直水平ハイブリッド思考」で斬新な木炭のエネルギー利用が展開されれば、日本はもっと豊かになるのでは!

 

永遠の若さの源

炭博士として名高い岸本定吉さん。

炭に関する研究も豊富で、論文に著書と多数の業績を残されました。

90歳になってもはつらつとして、自らを青年と称し活躍。炭焼きさんは健康とよく聞ききますが、炭にかかわる人たちは元気で年を取りません。

アナトール・フランスさんは「エピクロスの園」で、創造主だったら「人間の生涯の最期に青春を持って来ていたであろう」と書いています。

老いたくないは、人類共通の望み。

「最期まで青春」を叶えてくれるとしたら、炭は人生100年時代に欠かせません。

 

sumimagic.hatenablog.com

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<参考資料>アナトール・フランス, 1979, エピクロスの園, 岩波書店;一般社団法人全国燃料協会, http://www.zen-nen.or.jp/members.html;岸本 定吉 (監修), 2001, 炭人たちへ―炭博士にきく木炭小史, DHC刊;岸本定吉, 1952, 木炭の利用の現況と将来, 燃料協会誌, 41:737-751;デイビッド・エプスタイン, 2020, RANGE(レンジ)知識の「幅」が最強の武器になる, 日経BP;山口周, 2019, ニュータイプの時代, ダイヤモンド社