暑くもなく、寒くもなく、過ごしやすい今の時期。
美術鑑賞にも、自分で絵を描くにも適した芸術の秋です。
木炭は、美術の世界でも、画材として独特の存在感を放っています。
たとえば、エドガー・ドガさんの「踊り子」。油絵の美しさだけでなく、木炭と鉛筆で描かれたデッサン画も有名です。
アンリ・マティスさん、パブロ・ピカソさんも木炭を好んで使っていたようです。
画用木炭ってどんなもの?
そして、世界最小・最短の炭焼き体験!15分でできる画用木炭の作り方とは?
画用木炭とは?
デッサンの画材といえば、鉛筆、コンテ、木炭。
硬質なシャープさの鉛筆。
コンテは鉛筆よりソフト。天然の顔料を細かくして棒の形に固めたもので、別名、カーボンチョークです。
コンテより、さらにやわらかい画用木炭。
美しく繊細なトーンや濃淡を描けるのが魅力です。
画用木炭ブランドとして、国際的にも高い評価を受ける(株)伊研。
初代社長の伊吹英次さんは、美術学校出身の洋画家です。
画用木炭の感触が、原木や焼き方によって異なることに着目。
日本の伝統的な製炭技術に学び工夫を重ね、高品質の描画用の木炭を製造するように。
11種類の材質の画用木炭。吟味された材料と焼成技術が織りなす、美しい炭の色に定評があります。
画用木炭の作り方
黒炭、白炭などふだん使っている炭では、残念ながら紙に絵を描くことができません。
そこで、簡単に作れる画用木炭のご紹介!
画用木炭の原木として好まれるのがヤナギ。
できれば、ヤナギで作りたい画用木炭。
身近にありました!お正月などで使う祝箸がヤナギから作られていました。
<作り方>
- お箸を半分に切ります。そのままの長さだと端に火を通しにくいです。
- アルミホイルを半分に折ってお箸をぴっちりと包みます。巻き口の両端は、煙が逃げるように煙突のように少し開けて立てておきます。
- ガスコンロに網を置き、弱火で熱すると5分位で煙突から水蒸気を含んだ白い煙があがってきます。換気を忘れずに!
- 焼き上がりに近くなると白い煙が青色に変化するので火からおろします。火の強さにもよりますが、10分から15分ぐらいです。
- 急速に冷やすとかたくしまった木炭になります。
木を空気のない状態で蒸し焼きにして炭にする。もっとも手軽に味わえる炭焼き体験です。
おわりに
世界に一つだけの自分の画用木炭。
何を描きましょう?
「踊り子」のデッサンは難しそうですが、キュビズムの木炭画、一部なら模写できるかも!?
<参考資料>株式会社伊研, https://userweb.www.fsinet.or.jp/iken/;河村栄一(監修), 2020「デッサンパーフェクトレッスン新版基礎から応用までマスター コツがわかる本」メイツ出版;炭活用研究会(編著)杉浦銀治(監修), 2014「図解よくわかる炭の力」日刊工業新聞社