炭の魔法

時計のない時間、心躍るおいしさ、自然の癒しをまねく炭。

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最高品質のチャコールブリケット!オガ炭

はっきりしないお天気が続きます。

いつ梅雨入り宣言が出ても驚かない曇り空。

今週のお題「何して遊んだ」。

五月晴れの日には、青空の下でお庭グルメ、七輪BBQを楽しみたい!

手軽に七輪BBQをかなえてくれるのがオガ炭です。

天然炭と成形炭

黒炭、白炭などは天然炭。山から伐り出した原木を材料として炭にしています。

成形炭は、石炭の粉末、木くず、おがくず、紙など燃えるものを圧縮して炭にしたもの。アウトドアショップで見かけるチャコールブリケットも成形炭。アメリカなどからの輸入ものが目立ちます。オガ炭は純国産の技術がひかる、おがくずでできた成形炭です。

成形炭のメリット

成形炭の良さは、使いやすさにあります。

火力が調整しやすい。形が均一で小ぶりなので、七輪の火力が強すぎるな、というときにも、炭を1個、2個とり除くことで思い通りの火の強さをつくり出せます。

火も起こしやすく、構造上、爆ぜることもほとんどありません。

オガ炭のすごさ

使い勝手の良いブリケットですが問題がひとつ。接着剤などの化学物質です。

「情熱に火をくべよう」をモットーとするカリフォルニアのレストランCharcoal。

進化系BBQキュイジーヌの旗手であるシェフのジョサイア・シトリンさんは、化学物質などが使われているブリケットは避け、天然炭しか使わないといいます。

オガ炭には、おがくずのリグニンが粘結剤としてはたらくため添加物は使われていません。他の成形炭同様の使いやすさに加え、ケミカルフリー。

火力と火持ちには改良が重ねられ、今では白炭に近い品質で知られるスーパーブリケット、オガ炭です。

木製飛行機の技術者が開発:オガライト

オガ炭の原料は、おがくずを成形した固形木質燃料のオガライト

第二次世界大戦直後に、木製飛行機の技術者たちが当時欠乏していた家庭燃料の開発に着手。おかくずを乾燥させ水分を10%に調整、圧力を加え表面を加熱して固めたのがオガライトです。

着火しやすく、煙も少ないうえに、4,000~4,500 kcal/kgと高い発熱量を持つ優秀な元祖リサイクル燃料。1950 年、オガライトの発明は林野庁長官賞を受賞しています。

おわりに

日本成形燃料工業組合の初代会長、柴田竹治さん。「多くの先輩たちが苦心をかさねて開発したオガライトとオガ炭の火を消すな」が遺言だったそうです。

今まで天然炭派でしたが、オガ炭を使ってみて、その使い良さと燃料としての質の高さに静かに感動しました。

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<参考資料>岸本 定吉 (監修), 2001「炭人たちへ―炭博士にきく木炭小史」DHC刊;ジョサイア・シトリンら, 2020, 炭火で焼く: カリフォルニア発、進化系BBQキュイジーヌ, 柴田書店;炭活用研究会(編著), 杉浦銀治(監修), 2014「図解よくわかる炭の力」日刊工業新聞社;本庄孝子, 2008, バイオマス固体燃料, 高温学会誌, 34:146-152.