生きている火、炭火。
炭火を安全に楽しむために、気をつけたいこと。
に続く3点目は「爆跳」です。
広辞苑にも載っていない爆跳とは?
爆跳とは?
「爆」大きな音を出して四方に飛び散る
「跳」とぶ、はねる
着火した時や追加で入れた炭が熱せられて、爆(は)ぜることがあります。
この現象が爆跳です。
パチパチといった音だけの場合もありますが、ひどい時には爆竹のような大きな破裂音が。音だけでもかなりのショックですが、音とともに勢いよく飛び散る熱い炭の破片が危ない。顔に直撃してしまうことも。火傷や火事のもととなりとても危険です。
爆跳を防ぐには?
炭の質に注意
爆跳を防ぐ大原則、そもそも爆跳しやすい炭を使わない。
爆跳しやすいのは、炭化が不十分な炭です。
木炭に残っている樹脂成分など未炭化成分が爆跳を引き起こすようです。
爆跳しやすいだけでなく、においのある煙や炎も立ちやすい炭化不十分の炭は避けたほうが懸命です。
水分が大敵
次に気をつけたいのが水分。
木炭の微細な孔に入り込んだ水分が加熱されて膨張し炭の破裂を引き起こします。
炭化のきちんとなされた良質な炭でも、水にぬれたり、保管中に湿気を含むと爆跳の可能性大。
水気を含んだ炭は、急激な加熱でさらに爆跳が激しくなり危険です。
いきなり燃えている炭の上に置いたり、風を送ってしまうと、爆跳をひどくするので避けましょう。
水気を含んでしまった炭の救済方法
炭から水分を取り除いてあげれば、爆跳しない炭に戻ります。
ゆっくりと暖め、弱い火力でじわじわと着火することで水分をぬいていきます。
水分を除く方法には、弱い炭火の上に網をのせてゆっくりとあぶる、蓋のついた火起こし器でゆっくりと暖める、250度のオーブンで4時間加熱という人もいました。
天日干しでも水分はある程度ぬけますが、入りやすく出にくい湿気。かなり時間がかかるようです。
炭は一度赤く着火すれば、爆跳することはありません。時間があるときにゆっくり暖めて着火。完全に消火したあと、厚いビニール袋などに入れて密閉保管しておけば、BBQや七輪で使う時にも安心です。
おわりに
強力な爆跳の音はすさまじく、身の縮む思いがします。けれど、良質の炭は、湿気を遮断しておきさえすれば何年でも保管可能。いつでも安全・快適に燃料として活躍してくれます。
<参考資料>一般社団法人全国燃料協会, 2022. http://www.zen-nen.or.jp/faq.html;岸本定吉, 1984.「木炭の博物誌」 総合科学出版;The Virtual Weber Bulletin Board, 2021, https://tvwbb.com/threads/anyone-else-experience-violently-exploding-b-b-oak-lump-charcoal-during-startup.87186/