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フランスで「備長炭で浄水」が好まれる3つの理由

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世界各地の食材を吟味し、料理に取り入れる美食大国、フランス。ゆず、しょう油、わさび、日本の食材も使われています。備長炭も使われていると聞きました。グリルに使うのかな、ふと気になって仏語サイトを検索すると、でてくるのは水道水を浄水するための備長炭ばかり。なぜ、いま、浄水用の備長炭が人気なのでしょう?

理由1.脱・使い捨てプラスチック

日本でもよく見るミネラルウォーター、エビアンはフランスの会社です。ペリエヴィッテルコントレックス、日本に輸入されているミネラルウォーターの44%はフランス製。フランスでも、ペットボトルに入った水の利用は一般的でした。

しかし、飲んだあとに残るのは、大量のペットボトルの山。水道水をおいしくできれば、ペットボトルのミネラルウォーターを買う必要はなくなりプラゴミが減らせる。そこで、注目されたのが備長炭を使った水道水の浄水です。

背景には、循環経済を目指すフランス社会の動きがあります。「脱・使い捨てプラスチック」が着々と進行しており、2016年には各国に先がけて、使い捨てプラのレジ袋の販売を禁止。来年(2022年)からは、果物・野菜のプラ包装が段階的に禁止されます。パリの水道公社も「プラスチックごみゼロ」キャンぺ―ンを展開中。水道公社のサイトには、「ペットボトル2本のうち1本しかリサイクルされておらず、これらのボトルが海洋汚染の主な原因のひとつ」とありました。

理由2.いつでも、どこでも!手軽に浄水

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必要なのは備長炭と水を入れる容器だけ、という手軽さも備長炭浄水のメリット。カラフェなどの容器に水道水を注ぎ、備長炭を1-2本入れます。一晩おけば、備長炭が塩素などの物質を吸着してくれ、簡単においしい水の出来上がり。パリの水道水は、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルを多く含む中硬水。水道水は飲料用に管理されていますが、気になるのが残留塩素です。日本と同じですね。これを簡単に除いてくれるのが備長炭。マイボトルに備長炭を入れて持ち歩く人もいるようです。

理由3.100%ナチュラルな浄水フィルター

17世紀から続く日本の伝統技術で焼かれた備長炭。木だけでできているため、100%ナチュラルな浄水フィルターです。他の水道水を浄水する商品、カートリッジやウォーターサーバーにはプラスチックが使ってあり、プラスチックごみになってしまいます。また、同じ自然資源でも、鉱物などと違い、再生可能な自然資源である木材からできているのも好まれる理由です。使った後は土に還せる点も好感度をあげています。

世界的にマイクロプラスチック汚染が問題になっています。これ以上海を汚さない、本気の取り組みに、異国でひっそりと役立つ備長炭です。

 

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<参考>千賀裕太郎, 2013. 「ゼロから理解する水の基本」誠文堂新光社.;Authentique Charbon Binchotan labellisé et Perles CéramiquesLe Binchotan purifier l’eau naturellement - du bio dans mon bento;Purifier l'eau du robinet avec Binchotan - Ma Famille;循環経済法で使い捨てプラスチックからの脱却を目指す(フランス) | ビジネス短信 - ジェトロ;フランス、多くの果物・野菜のプラ包装を来年から禁止 | ロイター;Le paris de l'eau zéro déchet plastique - Eau de Paris