寒さが厳しくなってきました。
これからの季節、炭火仕事のある日が一層待ち遠しくなります。炭火仕事の合間、合間に七輪に手をかざして「あったかい」が楽しめるから。一酸化炭素中毒をおこさないように、炭火仕事は外限定にしています。屋外の七輪、夏は暑くて遠目で見守りたいものの、冬はなるべく側にいたくなります。
炭火のあたたかさの正体!
炭火にあたると、じわ~っとあたためられて、まるで温泉に浸かっている気分。思わず目を細めてしまいます。炭火は赤外線のなかでも遠赤外線を放つと考えらています。この遠赤外線の光のエネルギーが、炭火のあたたかさの正体です。
遠赤外線のヒーターは、暖房器具のなかでも特に人気です。エアコンが温風で部屋の温度をあげてあたたかくなるのと違って、遠赤外線は私たちの身体に直接はたらきかけてあたためてくれます。部屋の空気が冷たくてもぽかぽかを感じるので、感染症対策で部屋の空気を入れ替えしても大丈夫。
遠赤外線は身体の芯まで届く?
「遠赤外線は深く浸透して身体を芯から温める」と聞いたことはありませんか?
とてもいいイメージですが、残念ながら違いました。遠赤外線は皮膚の表面から約0.2mmでストップ。身体の深くまでは浸透しないことが、研究結果に示されています(Terada et al., 1986)。
効率よく熱にかわって身体をぽかぽかに
ではどのようにはたらくのでしょう?
非営利・一般社団法人遠赤外線協会によると、遠赤外線のエネルギーは、皮膚の表面のとても薄い部分で、そのエネルギーの多くが吸収され熱に変化します。熱となったエネルギーが、血液などで効率よく体の内部まで伝わることで身体があたたまります。
天然の遠赤外線ヒーター、炭火。
ぽかぽかを受けとめた日は、いつもより夜が寒くない気がします。
<参考資料>Terada, N. et al,1986. ”Spectral radiative proper of a living human body”, International Journal of Thermophys. 7:1101-1113.; 非営利・一般社団法人 遠赤外線協会;奥田透, 2013. 「焼く」 柴田書店.