炭の魔法

時計のない時間、心躍るおいしさ、自然の癒しをまねく炭。

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あざやかな木の葉の色にときめく「かしのきホテル」

冬至まで一ヶ月足らず。

陽が落ちるのが早いのはさみしいものの、夜の時間がたっぷりと楽しめます。

秋の夜長の醍醐味は読書。いつもとは違う世界に行きたいなと思う日は、読みかけの本はひらかずに絵本を手に取ります。絵本は、心に直接かたりかけてくる言葉と、紙面いっぱいにひろがる絵で、まったく違う空間に瞬間移動させてくれます。今日は、久保喬さん作、駒宮禄郎さん絵の「かしのきホテル」フレーベル館の復刊絵本です。

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あらすじ

「かしのきホテル」は、炭を使うようになって親しくなった樫の木が主人公の絵本です。だれでも分けへだてなく受け入れ、相手が不義理をはたらいても、やさしく受けとめる「かしのき」。森の生きものたちのホテルとして住む場所を提供しています。「かしのき」のマザーアースのようなやさしさに、心いやされるお話し。

木の葉の色は何色?

この絵本をながめていて、ハッとしたことがありました。「かしのきホテル」では、樫の葉が紫色系統で彩られている場面や、青色系統、茶色系統で描かれている場面があります。どれも複雑な色合いで美しく、しっくりきます。今までは、葉の色は緑色、グラデーションの違いがある程度と漠然ととらえていました。実は違って、様々な色に輝いている。「かしのきホテル」に描かれた葉の色をみて、こういう色もみてたんだ、と気がつきました。そういえば、空にかかる虹の色。人間が感知するのは7色だけれど、カラスは14色を見ているという話しを思い出しました。

たまむしのおじょうさん

「かしのきホテル」では、小鳥や虫などの生きものも、愛らしく生き生きと描かれています。たとえば、たまむしのおじょうさん。下の写真は、今年の夏に近くで出会ったリアルたまむしです。絵本のたまむしと比べてみてください。たまむしのきらきらした輝きが、素敵に表現されているのがよくわかります。

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冬が来て生きものたちと出会う機会は少なくなりますが、かれらが恋しくなったときは、「かしのきホテル」を開いて春を待つことにします。