今週のお題「最近おいしかったもの」
炭火で焼いたおにぎり。
外側のカリッとした食感に、ほあっとした中の温かさ。
そして、何より香ばしさ。
炭火焼のこの美味しさは、一体どこからくる?
そもそも個人的な思い込み?
炭火焼の美味しさの解明にせまった研究がありました。
炭火焼の美味しさ
炭火とガスの直火焼きで焼き鳥を比較(「炭焼加熱特性の解析」石黒ら, 2005)。
科学的な官能評価を74人のパネリストで実施したところ、炭火焼の焼き鳥が以下の点で有意に高得点を得ました。
- においの好ましさ
- 表面のパリパリ感
- 焼き色のつき加減
- 内部の水分の多さ
やはり、炭火で焼くと、美味しく感じるのですね。
ちなみに、この研究の炭は、ウバメガシの備長炭を使っていました。
炭火焼の好ましい香り
さらに、好ましいと評価の高い「炭火焼の香り」に注目。
香気成分を分析したところ、炭火焼の焼き鳥には、ピラジン類、ピロール類など香ばしい香りの割合が高いことが明らかに。逆に好ましくない脂肪族アルデヒド類は、ガスのほうが成分割合が高くなっていました。
香気成分の違いは、何に由来しているのか?
炭火とガスの燃焼ガスの比較を行ったところ、炭の燃焼ガスには還元性の強い一酸化炭素や水素が多く含まれており、酸素の割合が少ない結果に。燃焼ガスと香気成分の生成の関連性について、さらなる検討が待たれます。
おわりに
炭火直火式でコーヒーを焙煎すると、香気豊かなコーヒーに仕上がります。
浅煎りから中深煎りまでの炭火焙煎がもたらす、コーヒーのアロマは格別。
きっと、炭火燃焼ガスが関与しているのでしょう。
<参考資料>石黒 初紀, 阿部 加奈子, 辰口 直子, 蒋 麗華, 久保田 紀久枝, 渋川 祥子, 2005, 炭焼き加熱特性の解析 (第2報)日本家政学会誌, 56(2)