炭の原木の山には、たくさんの生きものが住んでいます。
リス、ウサギ、アナグマ、シカ、イノシシ、サル、etc。
だいぶ暖かくなり、春から秋までを日本で過ごす渡り鳥の声も聞こえてきます。
目の覚めるような青、瑠璃の色が美しいオオルリ。
初夏の炭木の山で気持ちよく歌うオオルリとウグイスのライブ録音を聞いてください!
オオルリってどんな鳥?
美しい鳴き声で知られる小鳥といえば、オオルリ、ウグイスにコマドリ。
日本の三大鳴名鳥です。
オオルリは、スズメより少し大きいぐらい。
宝石の瑠璃のように紫をおびた濃い青色がチャームポイントです。
目立ちたがりやさんで、梢の先端などの場所でけっこう長い時間さえずります。
巣をつくるのにたくさんの苔を使うので、渓流沿いにすんでいます。
オオルリとウグイスとの二重唱
高い声でピーリィリィリィジジッと鳴きます。最後のジジッがオオルリの特徴。
オオルリにつられて、ウグイスも歌い始めました。
オオルリの張りのある歌声に、ウグイスの控えめな歌声。
本人たちは姿を見せませんが、静かな山の中で繰り広げられた小さな音楽会です。
幸せの青い鳥とギフト・エコノミー
オオルリの青さで思い出したのが、メーテルリンクさんの童話劇「青い鳥」。
チルチル、ミチルの兄弟が妖女に頼まれて青い鳥を探す冒険です。青い鳥は捕まえたと思っても色が変わったり、死んでしまったり。仕方なく家に戻ると、青い鳥は家にいました。
幸せを遠くに探しても見つからない、
ふだんの何気ない生活のなかにこそあふれているのが幸せ。
けれど、物語はここでは終わりません。
青い鳥探しの旅の前、妖女に自分が飼っているハトについて聞かれ、渡すことを嫌がっていたチルチルです。けれど、旅の後、可愛がっていたハトを病気の女の子にあげます。
すると女の子はたちまち回復。その後、ハトは逃げてしまいますが、チルチルは、泣くことはないよ、また見つけるから大丈夫だと言います。
見返りを求めず与える、ギフトエコノミー。
自分だけのものにしているより、分かち合うことで幸せが増えていく!
おわりに
美声で私を喜ばせてくれるオオルリとウグイスも、
何か求めてくるわけではありません。
でも、何かお返しがしたくなる。
鳥や他の生きものたちが喜んでくれるような山づくりができればな、と思います。
<参考資料>Berder編集部編, 2021, オオルリ、キビタキ、サンコウチョウ, 文一総合出版;Maurice Maeterlinck, 1909, L’oiseau blue, https://www.ebooksgratuits.com/pdf/maeterlinck_maurice_oiseau_bleu.pdf