秋も深まり、新米の季節です。
炊飯器で炊いてももちろん美味しい新米ですが、土鍋で炊くと味わいアップ。
さらに、ガスコンロではなく七輪で炊くと!
炭の魔法で、新米の美味しさに磨きがかかります。黒炭と白炭、土鍋ご飯の炊飯に最適な炭の種類は?
ご飯といえば、おにぎりは外せません。心がなごむ、特別なおにぎりの作り方は?
七輪土鍋のご飯の炊き方
「始めちょろちょろ中ぱっぱ赤子泣くとも蓋取るな」
広辞苑にものっているご飯の炊き方の極意。
七輪で土鍋ご飯を炊く時には、この通りにすれば大丈夫。
始めちょろちょろ。1合など少量を炊く場合は、火がおきたらすぐに土鍋をかけて、少しずつ温度をあげていきます。
しばらくして、土鍋がぐつぐつと音を立て始めたら、通風口を閉めて弱火に。
蒸気が弱まるのを待って、火からおろして10分蒸せばできあがり。
火からおろす前に、通風口を開いて15秒程度強火にすればおこげも楽しめます。
白、黒?土鍋ご飯に最適な炭
国内で最もよく知られている炭、備長炭。
鰻、焼鳥といった焼き物には、一定温度で長時間燃焼してくれる白炭が好まれます。
けれど、ご飯を炊くには黒炭の出番です。
着火が早く、高温を出すこのとできる黒炭。
「始めちょろちょろ中ぱっぱ」を難なく実現してくれます。
白炭だと火起りが遅いので炊飯に時間がかかるうえ、通風口を閉じると温度の下がりが早く、蒸らしが効きにくい。
黒炭は、持ち前の保火力で通風口を閉じてからもご飯を上手に蒸らし、ご飯の味が良くなります。
心をやわらかくほぐすおにぎり
人をなぐさめる、おにぎり。
日本のマザー・テレサといわれた佐藤初女さん。生きることに疲れた人々のための支援を続け、佐藤さんの主催する「森のイスキア」には、全国から人々が集まってきました。佐藤さんのおにぎりを食べると、抱えていた悩みが溶けて、生きる希望を再び感じるようになる。
しゃもじですくうようにご飯をよそう、一粒々が呼吸できるようににぎる。佐藤さんのおにぎりの作り方は、お米へのやさしい心遣いが満ちています。
<参考資料>内田憲, 1952「理論技術木炭と加工炭」株式会社朝倉書店