炭の魔法

時計のない時間、心躍るおいしさ、自然の癒しをまねく炭。

MENU

ミシュラン2022!星獲得の日本料理人が語る炭火焼きの真骨頂

先日発表されたばかりのミシュランガイド東京2022。

今年もめでたく2つ星を獲得した「銀座小十」。

2013年以来、毎年星が輝く名店です。

この「銀座小十 」のご主人奥田透さんが、炭火焼きの技法をおしみなく明かしているのが著書「焼く」(柴田書店)。

f:id:hanadiop:20211130204217j:plain

炭火焼きのおいしさの核心 燻香

日本料理のなかでも重要な位置を占める焼きもの。奥田さんは、その焼きものを調理するのに、炭火以外の熱源は考えられないといいます。他の熱で調理したものとは比較にならない「炭火独特の香り、火の通り方、食感」。なかでも香り、燻香は、素材自身の油が炭に落ちることで生まれ「極上の調味料」になります。フライパンやオーブンなどの間接焼きでは、得ることのできない味わいをうみ出すのが炭火焼き。

匠の技を細かに解説                                                   

本書では、いかに炭火で食材のおいしさを引き出すか、日本料理の巨匠自らが、その技を手とり足とり伝授してくれるところがすごい。「経験と勘の世界」を明確に伝えるべく、数値化をはかり、細かい工程ごとにたくさんの写真が添えられています。

1章は、素材、炭の扱い方などに始まり、基本の焼き方として、塩焼き・スズキ、幽庵焼き・サワラ、肉・牛肉サーロインを詳述。2章は魚介、3章は肉と野菜と、素材ごとに細かく説明があります。

基本の塩焼きのスズキをみると、最初は弱火でじわじわと焼き、脂をだしたところで裏返す。脂を一気に焼けている炭に落として、煙を立てていぶす。これで燻香が立ち、鱸が一層美味しくなるわけです。切り身を準備そ、塩をあて、串を打ち、焼くの工程ごとに丁寧に説明。なかでも、焼くは15の手順に分けて、火加減の目安とともにコツが披露されています。

未来に広がり続く芸術   

やきとりも焼肉も、炭火が一番旨い。この独特の香り、パリっとしたこうばしさ、ふっくらとした食感をもった健康的な調理法が世界に浸透したら、どんなにすばらしいだろう。

という奥田さんがお店で使っているのは、土佐備長炭。熟練の炭焼き職人さんに若手の職人さんも多い活気ある生産地で、原木ウバメガシの森づくりにも力を入れています。日本料理、備長炭ともに、世界に誇る日本の芸術です。

 

ふつうのBBQでは物足りなくなってきた、グランピングやソロキャンでプレミア級の味を追求してみたい、そんな方にぜひおすすめしたいのが本書「焼く」です。